俺の横槍

　東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市内で、死者・行方不明者のうち６５％がハザードマップ（被害予想図）の浸水想定区域外に住んでいたことが２１

日頃からの慣れとかもあったのだろうけど、やっぱり自分で「安全」と判断しちゃいけないんだな、と。

地震がとても大きなものだったのは事実であり、とりあえず避難して、なんともなければ「何もなくてよかったね」で済んだはずで。


以下、全文。

産経新聞 6月21日(火)15時4分配信

　東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市内で、死者・行方不明者のうち６５％がハザードマップ（被害予想図）の浸水想定区域外に住んでいたことが２１日、群馬大学の片田敏孝教授（災害社会工学）と釜石市の調査で分かった。犠牲者の住所地と被害との関連が分かったのは初めて。近い将来、高い確率で発生が予想される東海、東南海、南海地震の防災計画についても影響を与えそうだ。片田教授は「住民への防災情報の提供方法について、抜本的な見直しが必要」と訴えている。

　調査の対象となったのは、これまで釜石市が確認した市内居住の死者・行方不明者１０３２人のうち、番地まで住所が確認された８６８人。

　浸水想定区域外での死者・行方不明者を釜石市内の４つの湾別に分類した。大槌湾に面した鵜住居（うのすまい）町などは４１９人（想定区域内、６６人）と最も多く、死者の８割以上が想定区域外だった。次いで、釜石湾が１１５人（同２０５人）。唐丹（とうに）湾は１２人（同９人）、両石（りょういし）湾は１９人（同２３人）。浸水想定区域外の死者・行方不明者は計５６５人で６５・１％を占めた。

　浸水想定区域については、過去の地震や津波のデータから国と県が算出した被害想定にもとづき、平成１７年に釜石市がハザードマップとして各戸に配布している。

　片田教授は「ハザードマップで浸水想定の外だった場合、避難行動に抑制をかけた可能性が非常に高い」と分析している。

　さらに、片田教授の調査では、被災者への聞き取り調査では気象庁の津波警報で津波の到達予想波高が「３メートル」と報じられたことにより、「避難を躊躇（ちゅうちょ）した」と答えた生存者が多数確認されている。

　気象庁は地震発生直後に、釜石市内に到来が予想される津波の予想波高を「３メートル」とした。これを受け、釜石市は防災無線で住民に広報したが、その後の修正波高（１０メートル）は、停電で住民に伝わっていない。

　この「想定区域外」という安心感と、「３メートル」の津波情報の影響は、特に釜石市の中心市街地で顕著にみられるという。津波の到達が３０分後と比較的余裕があるうえ中心市街地はおおむね高台の避難場所が近いにもかかわらず、７０歳以上の高齢者約１１０人が自宅で死亡・行方不明になっている。また、釜石市が指定した津波避難ビルでも、ビル内にいながら高層階に移動せず、死亡したケースが確認された。

　片田教授は「地震と同時に高台に逃れれば津波からは助かるが、ハザードマップや気象庁の津波の波高予想が逆効果になっているのなら、そうした情報提供の効果について根本的に見直すべきだろう」と話している。

最終更新:6月21日(火)17時10分

引用元：
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110621-00000560-san-soci