<日本泳法>水泳初心者にもおすすめ 波、流れに応じ多様 水難も防止(毎日新聞)
2010.08.10 |Category …スポーツ
水泳といえば、クロールや平泳ぎといった競泳を思い浮かべる人は多いだろう。だが日本には武芸の一つ「日本泳法」が伝えられ、各地の教室で学ぶことができる。波の高さや流れの速さに応じた泳ぎがあり、水の事故から身を守ることもできる。年齢や体力に合わせて泳げるため、スピードを追求する競泳とはひと味違った生涯スポーツとして、子どもから高齢者まで楽しめるのが特徴だ。
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で、流派の看板をかけて戦う、みたいな……。
……あー、そういやもう何年も泳いでないな。
以下、全文。
8月10日9時0分配信 毎日新聞
水泳といえば、クロールや平泳ぎといった競泳を思い浮かべる人は多いだろう。だが日本には武芸の一つ「日本泳法」が伝えられ、各地の教室で学ぶことができる。波の高さや流れの速さに応じた泳ぎがあり、水の事故から身を守ることもできる。年齢や体力に合わせて泳げるため、スピードを追求する競泳とはひと味違った生涯スポーツとして、子どもから高齢者まで楽しめるのが特徴だ。
日本泳法は江戸時代、剣術や柔術と同様、各藩で武士が学び発展した。明治時代には学校教育に取り入れられ、現在は日本水泳連盟が12流派を認定している。連盟の八木沼正彦・日本泳法委員長(67)は「流派によって持ち味は違うが、いずれも顔を上げる泳ぎが基本。常に呼吸ができるので、水泳の初心者にも始めやすい」と話す。
最も新しい水府流太田派は1878(明治11)年、隅田川で元水戸藩士が教え始めた。各流派の利点を取り入れ、実用性に優れている。
基本的な姿勢は体を水面に対し横向きにする「横体(おうたい)」。顔は肩越しに自分の足先を見下ろし、体の下側の腕は挙手をするように頭の先に伸ばす。足は前後に開き、水を挟み込むように動かしながら進む。
横体は後ろを向いているため顔に水がかかりにくく、波が高くても泳ぎやすい。慣れないと足が平泳ぎのように左右に開きがちだが、水に乗る感覚がつかめると伸びを取りながらゆったり泳げる。前を向く泳ぎは「平体(へいたい)」と呼ばれ、体は伏せ気味だが、足は横体と同じく前後に開く。
こうした基本形に手足の動きの変化が加わり、水府流太田派の泳ぎ方は15種類に上る。急流に逆らう力強い「早抜手(はやぬきて)」や、体力の消耗が少なく長時間続けられる「両輪伸(りょうわのし)」など水の状況に応じて使い分けられる。このほか物をぬらさず持ち運べる立ち泳ぎや、波を受けながら硬い岩場に安全に上陸する方法も。飛び込みは、高さや水の深さに応じて5種類ある。いずれも自分の身を守るだけでなく救助の場面でも生かせる。
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泳法は、各地の臨海学校や水泳教室を中心に教え継がれてきた。同派の団体の一つ「桐游(とうゆう)倶楽部」は毎年夏、千葉県南房総市で筑波大学付属中学校(東京都文京区)や東大教育学部付属中等教育学校(中野区)などの臨海学校を指導する。高校生から90代まで男女約150人が所属し、ボランティアで教える。子どもたちは砂浜で足の動かし方を覚え、海へ。体を横向きに保つのが「難しい」という声も上がるが、多くの生徒はあっという間に慣れ、すいすい泳げるようになる。
桐游倶楽部の尾形達郎師範(70)は「伝統を守りたい思いで活動している。年とともに体は衰えるが、泳ぎに必要なものや無駄なものが分かってくる」と“極意”を語る。
日本泳法委員会によると、全国で少なくとも各流派の約70団体が活動している。水泳教室を開く自治体もある。同派の山口和夫・第8代師範(75)は「団体ごとに級や段位などが設けられ、習い事としても励みになる。茶道や華道のように日本独特の美意識も知ることができる」と話す。毎年8月には全国大会にあたる「日本泳法大会」があり、泳ぎの完成度を競うほか、資格審査もある。今年は21、22日に神戸市で開かれる。
教室などの問い合わせは日本泳法委員会(電話03・3481・2306)へ。【五味香織】
最終更新:8月10日13時31分
引用元:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100810-00000007-maiall-spo