【佐藤優の眼光紙背】羽毛田信吾宮内庁長官は尊皇のまこと心をもっているのだろうか?
2009.12.15 |Category …政治
日本の国家体制の根幹に影響を与えうる深刻な出来事が生じた。
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2009年12月15日09時30分 / 提供:眼光紙背
佐藤優の眼光紙背:第64回
日本の国家体制の根幹に影響を与えうる深刻な出来事が生じた。
12月12日、羽毛田信吾宮内庁長官が、天皇陛下と中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席の会見が決まった経緯に関して、<今回、外務省を通じて内々に宮内庁の窓口に打診をされてきたのは1カ月を切った段階でしたから、ルールに照らし、お断りをした。その後、官房長官から、ルールは理解するが日中関係の重要性にかんがみてぜひお願いするという要請があり、私としては、政治的に重要な国だとかにかかわらずやってきたのだからぜひルールを尊重していただきたいと申し上げました。/その後、再度、官房長官から、総理の指示を受けての要請という前提でお話がありました。そうなると、宮内庁も内閣の一翼をしめる政府機関である以上、総理の補佐役である官房長官の指示には従うべき立場。大変異例なことではありますが陛下にお願いした。が、こういったことは二度とあってほしくないというのが私の切なる願いです。>(12月12日asahi.com)と述べた。
その後、天皇陛下を政治利用したという世論の激しい非難が、鳩山由紀夫総理と小沢一郎民主党幹事長に対して向けられている。筆者は、日本は中国に対して過剰サービスをするうべきではないと考える。従って、習近平氏に対しても、もう少し淡々とした対応をとった方がいいと思う。ただし、日本外務省の中国専門家は異なる判断をしたのであろう。今回、生じた問題は、この中国要人の処遇を巡る問題とは位相を異にするところにあると筆者は考える。
そもそも羽毛田長官がいう1カ月ルールなどというものが、どのような根拠によって定められたものなのだろうか? 宮内庁官僚が定めたものではないのか? 天皇陛下との会見は、外交儀礼上、きわめて重要だ。急に組み込まれる外交日程はいくらでもある。公式晩餐会ならば、事前の準備や案内もあるので、突然、日程を組み込むことができないのは当然だ。しかし、会見について1カ月ルールを定め、外交の手足を縛ること自体がきわめて政治的行為であることに羽毛田氏は気づいていないようだ。
羽毛田宮内庁長官が、尊皇のまこと心をもって天皇陛下をお守りしているのかどうかということが問われているのだ。習近平氏の会見を受けるべきでないと羽毛田長官が職業的良心に基づいて考えるならば、「私はそのようなお願いをすることはできません。どうしてもというならば、私を解任してください」と言って頑張るべきだ。そして、解任されても、言い訳をせずに静かに去っていくべきと思う。身を挺して、天皇陛下が政治の嵐に巻き込まれないようにすることが宮内庁職員の仕事ではないか。羽毛田長官が経緯説明という名目で記者会見を行ったことによって、天皇陛下が政治問題に巻き込まれてしまったというのが真相だ。
14日、<民主党の小沢一郎幹事長が、宮内庁の羽毛田信吾長官の発言を「辞表を出してから言うべき」と批判した>(12月14日産経新聞電子版)が、当然のことと思う。羽毛田氏は、選挙で選ばれた政治家ではなく、内閣によって任命された官僚だ。鈴木宗男衆議院外務委員長が<私は陛下のご了解を戴いたのにもかかわらず、その日程のやり取りを表沙汰にした羽毛田宮内庁長官は尊皇精神に欠けていると言いたい。陛下のご健康、ご体調を軽々に平場で口に出すのはいかがなものか>(12月1日付ブログ「ムネオの日記」)と述べているが、その通りと思う。
小沢氏の対応に問題があると考えるならば、国民は次の選挙で、小沢氏並びに同氏と考え方を同じくする民主党の議員を落選させるという形で、影響を行使することができる。これに対して、羽毛田宮内庁長官をはじめとする官僚は、身分保障がなされているので、国民の力によって排除することはできない。南北朝時代、北畠親房、楠木正成など南朝の忠臣は身を挺して後醍醐天皇をお守りした。この精神で宮内庁職員は天皇陛下をお守りすべきと思う。(2009年12月15日脱稿)
引用元:
http://news.livedoor.com/article/detail/4504076/
なにを言ってるのかわからねえよ。そしてたぶん書いている本人もよくわかってないことは明らかだ。
なんで頭のいい振りしたがるやつってこういう屁理屈を言っちゃうの? 外交の手足を縛る? だから外交に利用しちゃダメってのがまず根底にあるんだろ。1ヶ月がどうこう以前のお話だろうが。
この「1ヶ月ルール」それ自体が「政治的行為である」とのことだが、無理やり曲解して難癖つけてるだけにしか見えない。じゃあなんでこれまで問題とされてこなかったの? じゃあこれからはきちんと問題であると提起されるべきなんですね? ってことになる。
「職業的良心に基づいて考えるならば、『私はそのようなお願いをすることはできません。どうしてもというならば、私を解任してください』と言って頑張るべきだ。そして、解任されても、言い訳をせずに静かに去っていくべきと思う。」
だから馬鹿なの? それのどこが職業的良心なの?
内閣によって任命された役職であればこそ、ホイホイやめてしまえば、その後釜に推進派が都合よく据えられる危険が高い。自分のやりたいことに反しているのでやめますね、バイバイ、で済むような話じゃねえから。
こういったクズどもに好き勝手させないためにも、たとえ解任されようと何らかの影響力を残すのが、この場合における職業的良心だ。「身を挺して、天皇陛下が政治の嵐に巻き込まれないようにすることが宮内庁職員の仕事」だから。
今回の記者会見だって「天皇陛下が政治問題に巻き込まれてしま」わないようにするための限られた手札であったというのが「真相だ」。