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温暖化対策、経済成長との両立は可能か 厳しい目標にどう対応?(産経新聞)


 二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を「2020年までに1990年比で25%減らす」という中期目標を盛り込んだ政府の地球温暖化対策基本法案が、国会で審議されている。政府は温暖化対策と経済成長の両立を主張するものの、経済活動で過大な制約を負いかねない産業界には反発の声も多い。温暖化対策にどう取り組むべきか。温暖化問題に精通する国立環境研究所の西岡秀三特別客員研究員と慶応大産業研究所の野村浩二准教授に聞いた。(本田誠)



▽つづきはこちら

CO2が増えるから温暖化が進むのでなく、温暖化が進んだからCO2が増えるのだ、という説がある。また地球そのものが一定のサイクルで温暖化と寒冷化を繰り返しているとも言われている。

温暖化現象が温室効果ガスにより起きているという確証はない。

その上で、排出量を抑えたほうが現状の環境を維持できる、という点においては削減することに肯定できるが、だからといって自分の首を絞めるほどに締め付ける必要があるかといえば疑問だ。

個人的には高い目標でやってほしい。 なんて言っちゃう知識人(笑)なんてのもいるみたいだけど、まず第一に「できる範囲で」という前提があるべき。もし達成できなかったら他国から金で買いましょう、だなんて本気でバカなんじゃないかと疑う。

体重が120kgもあれば減量し放題かもしれないが、70kgしかない人間が同じ感覚で減量したら健康を損ねるだろ。じゃあ仕方ないからお金を払って「減量したことにする」と言っているわけだ。


以下、全文。


5月16日14時8分配信 産経新聞

 二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を「2020年までに1990年比で25%減らす」という中期目標を盛り込んだ政府の地球温暖化対策基本法案が、国会で審議されている。政府は温暖化対策と経済成長の両立を主張するものの、経済活動で過大な制約を負いかねない産業界には反発の声も多い。温暖化対策にどう取り組むべきか。温暖化問題に精通する国立環境研究所の西岡秀三特別客員研究員と慶応大産業研究所の野村浩二准教授に聞いた。(本田誠)

 ■西岡秀三氏「負担増は覚悟、公平さ重要」

 --CO2排出量を2020年までに1990年比で25%削減する目標は大きな負担となる

 「温暖化の防止には費用がかかる。省エネ技術の開発のためだ。当初の国民負担の増加は覚悟しないといけない。それをいかに少なく、公平にするかが重要だ」

 〇エコカーや太陽光発電

 --日本は世界最高水準のエネルギー効率を達成しているといわれる。省エネ技術のさらなる開発はできるか

 「日本は、もはや省エネ大国ではない。国際エネルギー機関(IEA)によると、GDP当たり1単位の富を得るためのエネルギー消費で、70年代の日本は欧米の2~3倍少なかった。しかし、今やイギリスやスウェーデンなどより高い。太陽光発電の年間導入量は2003年ごろまで日本はトップだったものの、今やドイツ、スペインに抜かれている。ハイブリッド車をはじめとするエコカーや太陽光発電が、次世代技術の核となるのは間違いない。早いうちに軌道に乗せて、競争力を高めて採算がとれるようにしないといけない」

 --それでも25%削減という目標は高すぎるのでは

 「個人的には高い目標でやってほしい。政府が確たる目標を掲げてきちんと公表すれば、企業は技術革新のための投資に向かう。目標があれば技術力は進歩する。その場合、どのように産業構造の転換を促すかも重要だ。国際交渉では、低い目標に落ち着くかもしれないが、国内で高い目標を据えれば、国際競争に勝てる」

 〇途上国の協力が必要

 --25%削減をすべてを真水、つまり国内で実現するか、排出枠などで海外に頼るかが明確ではない

 「2007年の第13回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)で、先進国は2020年に25~40%削減、途上国も相応に削減する必要を認識した。25%という数字はここからきているが、達成には途上国の協力が必要になる。国内では『途上国に数兆円をやるくらいなら国内ですべて達成するのがよい。そうでなければ目標を下げるべきだ』という意見もある。目標を下げることには反対だ。批判する人は真水でやればお金がかかるというし、真水を少なくしたらお金が海外に流れるという。目標を下げたいのだろうが、高い目標の下でないと、技術革新は思うように進まない。他国との競争に負けてしまう」

 --今後、政府に求められることは

 「大切なのは、大きな流れはCO2排出削減に向かっているということ。その方向を明快に示してほしい。そうすれば民間は動いていく。長期的な視点に立った方向性を提示することで、国民の意見が醸成されることが望ましい」

 ■野村浩二氏「厳しい目標、競争力低下も」

 --温室効果ガスの削減について「1990年比で2020年までに25%削減」という中期目標を実現しようとすると、国民にどんな影響があるか

 「国際協調なしに国内だけの努力による、いわゆる『真水』で25%削減を目指す場合、2020年時点で1世帯当たりの可処分所得は欧米並みの削減努力を実施したケースと比べ約77万円減少すると試算している。光熱費やガソリン代などの負担が倍増し、企業の競争力の低下から賃金も減少するためだ。真水の削減幅が10%、残りを海外からの排出枠購入で補う場合は約28万円にとどまる」

 ●リーマン並みの打撃

 --日本経済全体には

 「産業の7、8割で生産減を余儀なくされる。エネルギー多消費型の産業では多いところで2~3割生産を減らさざるを得ないだろう。日本企業の海外移転が加速し国内産業の空洞化が進む。雇用が失われる懸念も強い。失業率は1・9%程度悪化するとみている。実質国内総生産(GDP)では5・6%程度下落するのではないか。これは一昨年秋のリーマン・ショックによる影響と同じ規模だ」

 --温暖化対策法案には排出量取引制度や地球温暖化対策税の導入も盛り込まれた

 「企業に温室効果ガスの排出枠を割り当て、実際の排出量との差を売買する排出量取引制度や石炭など化石燃料に課税する地球温暖化対策税で25%削減を目指すとすれば、企業がCO2を1トン排出するのにかかる負担は500ドル。米国や欧州が容認しようとしている水準は20~50ドル程度で、日本は1ケタ違う」

 ●両立のシナリオ困難

 --温暖化対策と経済成長の両立は不可能か

 「化石燃料の燃焼によって生じる温室効果ガスが地球環境に影響を与えるのは事実で、その排出には国際的に調和のとれた価格付けが必要だ。その価格が低すぎては気候変動のリスクを正しく反映できないし、高すぎては国民の生活や安心を確保できず持続的でない。両立できるシナリオはかなり楽観的な技術進歩の誘発を期待しない限り難しい」

 --どう取り組むべきか

 「世界の温室効果ガスの4%程度しか排出していない日本が国内でどんなに削減努力に取り組んでも、途上国の排出量の伸びを抑えなければ温暖化は解決できない。途上国に対する日本の省エネ技術の移転を着実に進めるべきだ。革新的な省エネ技術の開発・普及がカギを握るのは間違いないが、技術開発には膨大なコストや時間がかかる。規制が厳しすぎれば企業の国際競争力は低下し、必要な研究開発投資もできなくなりかねない。技術進歩を楽観せず、もっと長期的な視点で実現可能な道を歩む必要がある」


引用元:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100516-00000518-san-bus_all

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