「普段の下痢」…宮崎県が口蹄疫発生見逃し(読売新聞)
2010.05.18 |Category …社会
宮崎県内で被害が拡大している口蹄疫を巡って、農林水産省が最初の感染疑い例を確認した3週間前の3月下旬、同県家畜保健衛生所が、感染した水牛を診察しながら発生を見逃していたことがわかった。
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「県が3月の時点で徹底した消毒などの対策を取っていれば、ここまで感染は広がっていなかった可能性がある」だそうな。まさにその通り。そこで対策できていればベストだった。
結果論で言えば、な。
初期の予兆を見逃してしまった(と仮定する)ときこそ、その先の決断と行動にいっそうの重みが出てくるのは当然のことであり、この出来事をもって、口蹄疫発生確定から続いている政府の失策の言い訳にはならない。
3月末が分岐点であった(と仮定する)のと同様に、4月の中旬~下旬にも分岐点があったのだ。まして「現実に起きている」ことが知れている段階で、あの見逃しは相当な悪手だった。
それを棚に上げるつもりでこの記事が書かれたのでないことを願うよ。
以下、全文。
5月18日7時50分配信 読売新聞
宮崎県内で被害が拡大している口蹄疫を巡って、農林水産省が最初の感染疑い例を確認した3週間前の3月下旬、同県家畜保健衛生所が、感染した水牛を診察しながら発生を見逃していたことがわかった。
同省などによると、同県都農町で水牛を飼育する農家から、かかりつけの獣医師を通じ、県家畜保健衛生所に「水牛が発熱している。牛乳の出も悪い」という連絡があったのは3月31日。
この日のうちに同衛生所の職員は立ち入り検査を実施し、4頭の水牛に発熱や下痢などの症状が出ているのを確認した。しかし、「普段の下痢」と判断して口蹄疫の可能性を疑うことなく、通常の風邪の検査をしただけで、同省にも報告しなかったという。
この水牛農家から南東に600メートル離れた繁殖牛農家では4月9日、口の中がただれた牛が1頭見つかった。同衛生所はこの時も口蹄疫と見抜けず、20日に「最初の感染事例」として発表した。このため最初の水牛についても22日に血液の遺伝子検査を行った結果、ようやく23日に口蹄疫の感染疑いが判明したが、この時点で既に5例の感染(疑い含む)が発覚していた。口蹄疫の検査結果は通常、1日か2日で判明するため、もし3月末の段階で実施していれば4月初旬には拡散防止対策がとれたとみられる。
口蹄疫は、早期に家畜の移動制限などを講じる必要があり、口蹄疫に詳しい後藤義孝・宮崎大教授(家畜微生物学)は「県が3月の時点で徹底した消毒などの対策を取っていれば、ここまで感染は広がっていなかった可能性がある」と指摘している。
最終更新:5月18日7時50分
引用元:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100518-00000016-yom-soci